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「彩絵硝子(だみえがらす)」にかかってます。

「館」に引き続いて難しい小説です。
いや、構成がこれまでよりずっと複雑になっていて、現時点で物語内の意味連関すらよく分からない(笑)。
だいたいは、擬似的な父・母・子の間に起きたエディプス・コンプレックスという理解でよいと思うのですが。

さて、三行要約に行く前に、物語の構成を腑分けしておきます。

この小説は以下のように3つに分けられる:
■第1パート:3人の主人公それぞれの視点
p.119には以下のように述べられている:
===
<<この物語の三つの「化」を冠とする同時に起つた三場面から次の年の第二の場面に至るまでの空白を作者は三人の主人公の断片的な手記を以て埋めようと考へる。>>
===

すなわち、以下の場面ABCは、同時に起こった事象を3人の主人公それぞれの立場から見た格好になっている。

A)化粧品売場では粧[※よそお]つた女のやうな香水壜がならんでゐた。(…)
 ⇒退役した造船中将男爵・宗方禎之助の話。

B)化石のやうな性質が彼女のなかにあつた。(…)
 ⇒禎之助の甥・宗方狷之助(けんのすけ)と、その恋人・里見則子の話。

C)「化粧つていふものは歌には大切ではございますけれど……あれね、半襟なぞの趣味がいちばん目につくやうな気がしますわ」とA婦人は才気ばしつた口をきいた。(…)
 ⇒宗方夫人・秋子の話。

■第2パート:翌年までの時間的空白=主人公たちの手記の形。

■第3パート:p.123以降、南軽井沢に3人と則子が滞在する話。3人+則子がここで"対決"する。

しかし、p.114の歌会でのB夫人のアクセントが云々、といった辺りから宗方夫人・秋子のイリュージョンが全開になってしまい物語はカッとんでいってしまう。
ここからの展開についていけてない。理解するにはまだ時間がかかりそうだ…。


なお、タイトルの「彩絵硝子」ですが、彩絵とは:
===
だみ‐え〔‐ヱ〕【▽彩絵/▽濃絵】
1 極彩色と金箔・銀箔を併用した、強烈な色彩効果をもつ障屏画(しょうへいが)。桃山時代に隆盛をみた。
2 濃彩を施した絵。
http://kotobank.jp/word/%E5%BD%A9%E7%B5%B5
===

とのこと。ネット上で調べた限りでは、彩絵硝子のお雛様とか、出てきた。
硝子の中や表面に色鮮やかな柄が付けられているもの、というあたりの理解でいいのではないでしょうか。
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銘記せよ! 三島語録
(…)われわれは戦後の日本が経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながらみてゐなければならなかつた。(…)
「檄」楯の会隊長 三島由紀夫
保阪正康『三島由紀夫と楯の会事件』(角川書店[文庫版]、2009年)p.19より引用
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