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異国で読む三島由紀夫(1)

 もうアラフォーになってしまったワタクシが三島由紀夫を(ちゃんと)読み出したのは、ここ数年のことである。

 そのころワタクシはカナダの大学院でジャーナリズムを専攻しており、2年目に入って論文のテーマを「インターネットと自殺(報道)」にほぼ決めていた。同時に、他専攻科目のひとつとして文学論のゼミを取っていたのであった。

 今ではもう絶対について行けないのではないか、というほど激しい課題が山と続く日々。何をするにも省力化&合理化がカギになる。

 であるから、ワタクシは論文のテーマ(自殺)と文学講義のテーマ(日本人なので日本文学を選ぶのがスマート)をクロスオーバーさせることにしたのであった。

 自殺と日本文学といえば、芥川や太宰、川端などなど、錚々たるリストが出てくるのはご存知の通り。しかしその筆頭、今後もおそらく超えられないであろう"エベレスト的存在"といえばもう三島由紀夫先生しかいらっしゃいませんね!

 当然、英米圏でも名前が知れ渡っているので、テーマにするには有利なわけであった(いずれ1時間半もの間にわたり口頭発表をしなければならず、テーマ選びは重要だった)。

 こうしてAsian Libraryの書棚にずらりと並ぶ三島文学(旧版の全集)とその解説本、批評本をガーッと舐めていく日々が始まった。(異国の地で数十~百冊ほどの資料が揃っていることに、最初は驚いたくらいだ。)

 実は、ワタクシが確か高校生の頃だと思うのだが、『潮騒』は読んだ記憶があり、その時は「なんだ、こんなスイートでハッピーエンドな恋愛物語、全然面白くないじゃないか!」とガッカリしたことがある。

 また、その前後には母親から「アンタ、三島由紀夫だけは読むの止めときなさい。あの人はホモで右翼で切腹自殺したんだからね!」と(いま思えば3分の1くらいは冗談だったのだろうか?)警告を受けていたのだ。

 そんなこんなで、三島文学には大学生になった後も寄り付くチャンスがなく、30代に入り異国の地で初めてじっくり読むことと相成ったのであった。

(つづく)
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銘記せよ! 三島語録
(…)われわれは戦後の日本が経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながらみてゐなければならなかつた。(…)
「檄」楯の会隊長 三島由紀夫
保阪正康『三島由紀夫と楯の会事件』(角川書店[文庫版]、2009年)p.19より引用
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